| 業種 | 推進系 |
| 関連領域 | 軌道上サービス、深宇宙探査 |
| 本社所在地 | Redondo Beach, California、アメリカ |
| 設立 | 2021年 |
| 従業員数 | 140名 |
| ステージ | Series B |
| 累計調達額 | 215百万ドル |
| CEO | Tom Mueller |
事業概要
低コストかつ高効率な化学推進システムを用いた軌道間輸送機(OTV: Orbital Transfer Vehicle)の開発に特化している。SpaceX等の大型ロケットで打ち上げられた衛星を、最終的な目的軌道(LEO内の特定スロット、GEO、月・惑星間軌道)へ迅速に輸送する「ラストワンマイル」の解決を目指す。独自の非毒性推進剤(エタン/亜酸化窒素)を用いたSaiphエンジンや、液化メタン/液体酸素を用いるRigelエンジンを中核技術とする。電気推進(イオンエンジン等)と比較して圧倒的な推力を持ち、数ヶ月かかる軌道移動を数時間に短縮することが可能。創業者のトム・ミューラーによるSpaceXでの開発経験を活かし、高い信頼性と量産性を両立した推進システムを垂直統合で開発している。
競争優位性
最大の優位性は、化学推進による「圧倒的な移動速度」と「高ペイロード比率」の両立である。競合他社が採用する電気推進は燃費が良い一方、LEOからGEOへの移動に数ヶ月を要する。これに対し、同社のHeliosは化学推進を用いることで24時間以内のGEO到達を可能にする。これにより、衛星オペレーターは収益化までの期間を大幅に短縮できる。また、創業者のトム・ミューラーが持つ推進系開発の知見により、高性能なエンジンを自社で迅速に設計・製造できる体制を構築している。非毒性推進剤の使用により、地上でのハンドリングコストを抑制しつつ、既存のライドシェア打ち上げ(SpaceX Transporter等)との高い親和性を確保している。さらに、RTX(旧レイセオン)やエアバスといった防衛・航空大手のCVCから出資を受けており、政府・軍事市場への強力なアクセス権を有している。
創業者・経営陣
Tom Mueller
Founder and CEOLoyola Marymount University(修士・機械工学)、University of Idaho(学士・機械工学)
SpaceXの創設メンバー(社員番号1番)であり、元推進部門最高責任者(CTO of Propulsion)。20年間にわたり同社のエンジン開発を主導し、Falcon 9のMerlinエンジン、DragonのDracoエンジン、StarshipのRaptorエンジンの設計・開発において中心的な役割を果たした。TRW社での勤務を経てSpaceXに参画し、2020年に退職。2021年にImpulse Spaceを設立した。液体ロケット推進における世界的権威であり、低コストかつ高信頼性のエンジン開発において比類なき実績を持つ。
取締役・アドバイザー
| 氏名 | 所属 | 専門 |
|---|---|---|
| Barry Matsumori | Impulse Space (COO) | Business Development, SpaceX/Virgin Orbit background |
主要プロダクト
| 名称 | 状態 | 概要 |
|---|---|---|
| Mira | Operational | LEO(低軌道)向けの軌道間輸送機。Saiphエンジン(推力20N)を搭載し、衛星の軌道投入、軌道維持、デオービットを支援。2023年11月に初のミッション「LEO Express-1」を成功させた。 |
| Helios | Dev | LEOからGEO(静止軌道)への直接投入を可能にする大型キックステージ。Rigelエンジン(推力15,000 lbf)を搭載。数日以内にLEOからGEOへの移動を完了させる能力を持つ。2026年の初打ち上げを予定。 |
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Deep Space 編集部