スタートアップ図鑑

Mohammed bin Rashid Space Centre

ムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター

深宇宙探査PublicUAE
www.mbrsc.ae
業種深宇宙探査
関連領域衛星データ観測、有人宇宙、宇宙ロボティクス
本社所在地Dubai、UAE
設立2006年
従業員数600名
ステージPublic
累計調達額60億ドル
CEOSalem Al Marri

事業概要

MBRSCはアラブ首長国連邦(UAE)の宇宙開発の中核を担う政府機関である。当初は韓国企業(Satrec Initiative)からの技術移転を通じて衛星開発能力を獲得した。その後、2018年打ち上げの「KhalifaSat」において、設計から製造までを完全に自国エンジニアのみで完結させる内製化を実現した。主要な技術資産として、高分解能の地球観測衛星(DubaiSat-1/2、KhalifaSat、MBZ-SAT)、火星探査機「Hope」、月面探査車「Rashid」を保有する。また、国際宇宙ステーション(ISS)への宇宙飛行士派遣プログラムを運営し、有人宇宙滞在技術の蓄積も進めている。同センターのミッションは、単なる科学探査に留まらず、UAE国内におけるSTEM教育の促進と、石油依存型経済からの脱却を目指す高度技術基盤の構築にある。

競争優位性

MBRSCの最大の強みは、政府の強力な財政支援を背景とした「国際協力モデル」の徹底にある。自国での基礎研究に固執せず、米コロラド大学ボルダー校や日本の三菱重工業(MHI)、ispaceといった世界トップクラスのパートナーと戦略的提携を結ぶことで、短期間での技術習得を実現した。また、ドバイという地理的・経済的ハブを活かし、世界中から優秀な人材を惹きつける能力も高い。特許面では、衛星の画像処理アルゴリズムや小型探査機の熱制御システムにおいて独自の知財を蓄積している。さらに、政府機関でありながら意思決定が迅速であり、ミッションの企画から実行までのサイクルが他国の宇宙機関と比較して極めて速い点も、宇宙スタートアップ的な機動力として評価されている。2117年までの火星移住計画を掲げるなど、超長期的な国家コミットメントが存在することも、民間企業との長期契約における信頼性の源泉となっている。

創業者・経営陣

Sheikh Mohammed bin Rashid Al Maktoum

創設者(UAE副大統領兼首相、ドバイ首長)

Mons Officer Cadet School(英国)

2006年にMBRSCの前身となるEIAST(Emirates Institution for Advanced Science and Technology)を設立。ドバイを知識ベースの経済へ転換させる国家戦略の一環として宇宙産業を定義した。国家的なビジョン「UAE Vision 2021」および「Mars 2117」を主導し、中東初の火星探査機打ち上げを実現。宇宙開発を若手エンジニア育成と高度技術産業の育成手段として活用している。

取締役・アドバイザー

氏名所属専門
Hamad Obaid Al MansooriMBRSC Chairmanデジタル変革、政府戦略
Yousuf Hamad Al ShaibaniMBRSC Vice Chairman宇宙政策、サイバーセキュリティ

主要プロダクト

名称状態概要
KhalifaSatOperationalUAEが初めて自国で100%開発した高解像度地球観測衛星。解像度0.7mの光学画像を供給。
Hope Probe (Al-Amal)Operational2020年に打ち上げられた中東初の火星探査機。火星の大気構造を包括的に観測。
Rashid RoverRetired月面探査車。Mission 1は着陸に失敗したが、技術実証データは取得済み。
MBZ-SATPlanned2024年後半以降に打ち上げ予定の、地域で最も高度な商用地球観測衛星。

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Deep Space 編集部