主要
SpaceX Starship V3初号機、5月打ち上げへ——第12回飛行試験で新型ハードウェア投入
ポイント解説
- 1.Starship V3の登場は、宇宙輸送コストの桁違いの低減を現実のものとし、衛星産業全体のビジネスモデルを書き換える
- 2.SpaceXは年間140回超のFalcon 9打ち上げに加え、Starshipのマルチサイト運用を計画する。1回あたりの打ち上げコストが100万ドル台に到達すれば、従来50億円超だったH3との価格差は100倍以上に拡大する見込みだ
- 3.SSS No.33(化学推進システム設計)の経験者は、再使用型ロケットの液体エンジン技術において国際的に引く手数多。自動車・航空機のターボ機械エンジニアも転用可能
SpaceXがStarship V3の初飛行を5月に計画。推力・サイズとも大幅強化のV3ハードウェアを投入。ケープカナベラル拡張も進行、宇宙輸送コスト革命の加速
米SpaceXは、Starship-Super Heavyシステム(宇宙船とそれを打ち上げるロケットの組み合わせ)の第12回飛行試験を2026年5月上旬に実施する見通しだ。同社CEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏が4月3日、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上で「4〜6週間後」と投稿した。当初3月、次いで4月を予定していたが、3度目の延期となった。
V3ハードウェアの投入
今回の飛行試験では、Starship V3(バージョン3)のハードウェア(物理的な機器や装置)が初めて使用される。V3は前世代より大型化され、推力も大幅に増強される見込みだ。ブースター(Super Heavy:ロケットの推進部分)とシップ(Starship上段:ロケットの上段または宇宙船本体)の双方がアップグレードされる。加えて、テキサス州スターベース(SpaceXのロケット開発・打ち上げ施設がある場所)のPad 2(打ち上げ台:発射台の一つ)からの初の打ち上げとなる。
ケープカナベラルへの拡張
SpaceXはケープカナベラル宇宙軍基地(フロリダ州にあるアメリカ宇宙軍のロケット打ち上げ基地)のLC-39A(打ち上げ複合施設の発射台の一つ)をStarship対応に改修中だ。2026年後半の運用開始を目指している。さらに、SLC-37(Space Launch Complex 37:打ち上げ複合施設の発射台の一つ)でのStarship運用も承認を取得し、建設が始まった。マルチサイト運用(複数の打ち上げ場所を同時に使う運用方法)による打ち上げ頻度の飛躍的向上が見込まれる。
日本の宇宙輸送戦略への示唆
Starship V3の実用化は、1回あたりの打ち上げコストを従来比で大幅に引き下げる可能性がある。日本のH3ロケット(日本の主力大型ロケット)の競争環境は一層厳しくなるとの見方が広がっている。一方、大型ペイロード(ロケットが宇宙へ運ぶ搭載物:人工衛星など)輸送のニーズは日本企業にも新たな衛星設計の機会を生む。三菱電機やNECの大型衛星バス(人工衛星の本体部分:電源、通信、姿勢制御など)開発にも追い風となる可能性がある。
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**出典**: SpaceNews — SpaceX plans next Starship test flight in March — 2026年2月
**関連する宇宙スキル標準(SSS)**: No.33(化学推進(液体燃料)システム設計・解析)、No.93(打上管制オペレーション)、No.12(コストマネジメント)
掲載元:SpaceNews · 参照リンク
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