主要

NASA、生命探査望遠鏡「Habitable Worlds Observatory」の技術開発提案を選定

NASA

ポイント解説

  • 1.生命探査専用の宇宙望遠鏡構想は、天文学の究極の問い「我々は宇宙で孤独か」に科学的回答を与える試みである
  • 2.HWOの開発費は110億ドル超と見積もられている(NASAの2023年概念設計報告書)。コロナグラフ技術の革新が鍵を握り、光学・精密機械メーカーに数十年規模の受注機会が生まれる。2040年代の打ち上げに向け、今後15年間の技術開発投資が本格化する
  • 3.SSS No.161(光学センサ)の専門家は、HWOの国際協力における日本の技術貢献の担い手となる。カメラ・半導体業界の光学エンジニアにも転身の道が開かれる

NASAがHabitable Worlds Observatoryの技術開発提案を選定。地球型惑星の直接撮像と生命兆候探索を目指す史上初の構想。口径6〜8m、2040年代打ち上げ

米航空宇宙局(NASA)は2026年1月、Habitable Worlds Observatory(HWO)構想に向けた技術開発提案を選定したと発表した。地球型惑星(地球に似た特徴を持つ惑星)を太陽に似た恒星(自ら光を放つ天体、太陽のような星)の周囲で直接撮像(天体を直接カメラで撮影すること)し、大気組成(惑星の周りを覆うガスの種類と比率)から生命の兆候を探索する——史上初のミッション構想(宇宙探査計画の初期段階のアイデア)だ。

ミッション概要

HWOは、ハッブル・ジェイムズウェッブ・ナンシーグレース・ローマンの各宇宙望遠鏡の成果を踏まえた次世代フラッグシップ望遠鏡(最も重要で大規模な宇宙望遠鏡計画)である。口径(望遠鏡の主鏡の直径)6〜8メートルの主鏡(望遠鏡で光を集める主要な鏡)を備え、紫外線(可視光線よりも波長が短い光)・可視光(人間の目に見える光)・赤外線(可視光線よりも波長が長い光)の3帯域(観測する光の波長の範囲)を統合する。打ち上げは2040年代を見込む。

25個の潜在的居住可能惑星を特定し、直接撮像することを主目標とする。惑星の光をスペクトル(光を波長ごとに分解したもの)に分解し、酸素・メタン・水蒸気などの生物学的プロセス(生命活動に伴って起こる現象)の痕跡を検出する計画だ。

技術的課題——コロナグラフの革新

恒星の光を遮蔽して惑星を観測するコロナグラフ(恒星の光を遮り、その周りの暗い天体、特に惑星を観測するための装置)は、過去に宇宙で使用されたどの機器よりも数千倍高性能である必要がある。NASAの発表によると、今回選定された提案はこのコロナグラフ技術の実現に焦点を当てている。

日本の天文学・光学産業への機会

日本はすばる望遠鏡(日本の国立天文台が運用する大型光学望遠鏡)の運用や、TMT(30メートル望遠鏡)計画への参画を通じ、大型望遠鏡技術を蓄積してきた。HWOの国際協力への参画は、日本の光学メーカー(レンズや鏡などの光学部品を製造する企業)(キヤノン電子、ニコン等)にとって新たな事業機会となり得る。国立天文台を中心とした日本の系外惑星(太陽系外にある惑星)研究コミュニティにとっても、科学的貢献の場が広がる。

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**出典**: NASA — NASA Selects Tech Proposals to Advance Search-for-Life Mission — 2026年1月

**関連する宇宙スキル標準(SSS)**: No.161(光学センサ)、No.24(システムズエンジニアリング)、No.1(調査・動向把握)

掲載元:NASA · 参照リンク

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